賃金の低さや不足人材の穴埋めのみを目的に、外国人労働者の採用を検討したり、実際に採用している企業が少なくない現状は、大変に残念なことです。もちろん、業種・業態により、求められるスキルや経験も異なりますが、まずはどの企業様にもご理解頂きたい事が3つあります。

1.決意と意欲がある

外国人労働者は、より良い生活環境を求め、経済的環境の改善を求めて海外への出稼ぎを決意し意欲をもって日本に来ています。上手く表現できない外国人労働者の方も多いのですが、彼ら・彼女らの決意と意欲を、まずは感じとってあげることが重要です。

2.孤独との闘いがある

外国人労働者の日本滞在では、ほとんどのケースが、単身での滞在です。日本語を学んで来ている労働者であっても、家族や友人なしに、日本という異なる文化の中で生活することは容易ではありません。彼ら・彼女らの「見えない、孤独との闘い」を理解してあげることが必要です。

3.小さな気遣いが最も重要である

環境の異なる状況で、毎日の習慣や食べるものが異なると、不安な気持ちになり、ホームシックにもなります。衣・食・住を快適な環境へと整備してあげる「小さな気遣い」が、仕事に集中できる環境を生む、最も重要なことなのです。

「外国人労働者」ではなく、一緒に働く仲間です。

Q1: よく外国人従業員の離職率が高いと聞きますが、大丈夫でしょうか?

A1: 技能や学歴などが高い人材ほど、選択肢が多いためスキルアップなどを目的に離職するケースが高くなるといわれています。日本と異なり、そもそも海外には1つの会社に定年まで勤め上げるという概念がありません。単純作業的な業務のみを任せるという考え方から脱却し、ステップアップを体感できるようなキャリアパスや仕事の与え方に変えることも必要です。

具体的な対策も弊社ではご提案をさせていただいております。お気軽にお問い合わせ下さいませ。

Q2: 受け入れ体制は、何をどう整えればいいのでしょうか?

A2: 社会保障や給与を日本人と同じに設定することは言うまでもありません。住居や日本での生活をスタートするにあたり必要なサポートを行う体制を社内で整備する必要があります。会社は親代わり的な要素も担う覚悟を行ってください。

Q3: 外国人従業員とのコミュニケーションが心配ですが、大丈夫でしょうか?

A3: 日本に来る外国人は、基礎的な日本語を勉強した上で来日する場合が大多数ですが、ビジネス会話を理解するには仕事の経験が必要です。また言葉以上に、日本の商慣習を理解する事は容易ではありません。言葉に関しては、簡単な日本語の表現や、なるべくひらがな・カタカナ表記にするなどの工夫をすると良いでしょう。

Q4: 文化の違いがあり、なかなか距離が縮まりません。どうしたらいいでしょうか?

A4: 小さな気遣いがあれば、劇的に良くなります。食事や宗教などの理解もありますが、まずは外国人従業員ひとり一人を理解するために、交流会を開きましょう。また、経営者や日本の従業員も、その国の言葉や文化を学ぶ努力を始めると、お互いの距離は急速に縮まります。

Q5: 時間にルーズな従業員が多く困っています。

A5: 仕事において、時間を守ることは当たり前の事です。例えば、日本の教えとしては10分前行動というのが常識となっていますが、海外では、その真逆で時間通りに来ること常識としない国もあるのです。そういった文化もあることを理解し、時間を守る事、予定時間よりも早く来ることのメリットなどを伝えて解決することが良いでしょう。

Q6: 会社の就業規則や業務内容を理解しているかが心配です。

A6: 就業規則は書面で用意されていると思いますが、可能な限り簡単な日本語を使うか、外国人従業員の母国語で書面を用意しましょう。また、口頭での説明に加えて、業務内容を明記した契約書を取り交わしてください。海外では、契約にない業務や仕事は行わない、ということが一般的です。日本であたりまえの「サービス精神」は、普通ではありません。弊社では、様々なアドバイスやコンサルティングも行っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さいませ。

Q7: 外国人従業員が逃げてしまうと聞き、不安です。

A7: まず、逃げるということは、必ず「逃げる理由」があります。理由の大半を占めるのが、長時間労働や社員の扱いの問題です。日本と違って、海外では「長時間労働=低い生産性」と考え、残業や長時間労働を良しとしません。また、自分で勉強したり、色々な事を経験する、あるいは家族と過ごすためのプライベートの時間を、仕事と同様に大切にします。

サービス残業を強いて賃金を払わないのは論外として、本人の希望を聞き、仕事と生活のバランスを考慮してあげてください。

また、前述の通り、小さな気遣いで、外国人従業員が必要とするサポートができます。これだけでも、逃げだしてしまう状況を改善できます。

貴社にあった提案をさせていただきますので、お気軽にお問い合わせ下さいませ。

Q8: 言葉の問題で気を付けることは何でしょうか?

A8: 日本語の表現というよりも、文化的な要素です。本音と建前が違う、「Yes/No」といった明確な回答をしない、という言葉がもつ文化があります。これは、日本に10年、20年滞在している外国人でも理解に苦しむ点です。

外国人従業員が聞いて正しく理解できるよう、はっきりとした指示をする、遠回しの表現をしない、など意識すると良いです。

Q9: 海外にいる家族を日本に連れてきたいとのことですがどうしたら良いでしょうか?

A9: 労働者のビザが許すのであれば、連れてくることは利点であると考えます。もちろん、家族の来日直後は会社側のサポート量も増えるとは思いますが、従業員が精神的に安定すること、従業員が仕送りを行い二重生活である点を考慮すると、経済的負担は減ります。

Q10: 海外にいる大勢の家族を扶養に入れたいとの要望がありますが、一般的でしょうか。

A10: 特にアジア圏では、自分の家族、親戚を含め経済的サポートをすることは一般的です。最初は驚かれるとは思いますが、可能な限りサポートしてあげてください。